本庄トキメキ野菜
トップ本庄野菜について本庄PF研究会生産者紹介農産物情報コラムリンク集
  HOME > 本庄PF研究会 > 【講演2】精密農法の技術的経済的なインパクト
 
本庄PF研究会
 
 
7 【講演2】精密農法の技術的経済的なインパクト
 Marc Venachtによる講演
       
1234
Marc Vanacht氏による講演

 
澁澤教授によるマーク氏の紹介
1952年ベルギー生まれです。ベルギーのアントワープ大学で哲学と経済学の学士を同時に取りました。あちらには二つの学位を同時に取得できる制度があり、大学を卒業するときに哲学士と経済学士を同時に取ることができます。さらにレーベン大学の大学院で法律学修士と経営管理学修士MBAの2つの修士を同時に取っております。それからスタンフォード大学のビジネススクールで技術管理学MOTを学びました。情報産業、バイオテクノロジー産業での幅広い経営コンサルタントの他、日本でも塩野義と荏原製作所などのコンサルタントを行っておりますが、精密農業に関するコンサルタントとして国際的にも注目されています。英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・オランダ語の5ヶ国語は自由に話せます。今回、私の紹介でわざわざアメリカから来ていただきまして、今回の講演に至りました。

精密農法の技術的経済的なインパクト

こんにちは、今日、これから精密農法について概要をお話したいと思います。たくさん話すことがありますが、あまり詳しくは触れないようにしたいと思います。しかし、もっと詳しくお知りになりたいという方は、後で声をかけていただきたいですし、E‐メールでも送ってみてください。

今日は、世界に共通する農業の国際的な課題と世界における精密農業、そして技術的な側面、経済的な側面、そして農業と産業との一体化についての5つのトピックについてお話します。

まず、課題についてです。まず世界で共通する大きな問題は、良質な水の不足です。今日では既に乾燥地域において水不足が起こっておりますし、また、10年以内では人口密度の高い地域や、比較的雨の降る地域、例えば本庄やイングランドでも水不足が生じますし、20年以内には地球全体の規模で水不足が起こります。ですから、水資源再利用の必要性というのが非常に重要であります。今京都で水を考えるフォーラムが開かれておりますが、そういう点で、非常に時期を得ていると思います。

2番目の農業が抱える課題と言いますと、労働力の農村からの流出です。それは、都市化が原因であったり、また日本に顕著に見られるように農業従事者の高齢化、そして、アフリカのエイズのような自然及び人的な災害、そういったものが原因であるわけですが、だからこそ、農業の機械化、自動化、そしてロボット化をさらに高次のレベルに引き上げていくことが重要な課題となります。

3番目の課題ですが、まず農業が経済的な意思決定力を失いつつあるということです。その背景にありますのは、ネッスルやクラフト、ユニリバー、味の素、といった食品加工会社が加工や処理、そしてマーケティングなどを一括して行ってしまっているという集約があるということ、また大型の量販店のフードチェーン、ジャスコなども含みますが、そういったところのパワーが強くなっているという側面があります。
アメリカのケースで注目に値するのは、農産物の価格が1ドルとしますとそれに対して、消費者が払うのは6ドル。つまり、食品価格のうちの農産物に支払う部分は15%ほどにしか過ぎないということ。もう1つは、アメリカの消費者の食費の50%は、外食産業で使われていると。ですから、農業というのは他のフードチェーン、食品関係産業者との連携・一体化が求められています。

このような精密農業で実現可能なテクノロジーといいますと、DGPS搭載の農機具とか、GPSとは位置検出システムとのことで、衛星によって正確な位置がピンポイントでわかるシステムです。また、収量モニター装置、電子式の可変施肥制御装置、また、土壌や地力センサー、作物の成長具合などモニターするリモートセンサー、また、事務所や農機具に搭載したコンピュータ、情報をデータベースにして積み上げていくことができるGIS(地理情報システム)。また、データ及び情報の集約によって一方方向ではなくて双方向で情報のやりとりができる、コミュニケーション時代としてのインターネットがあります。アメリカで最も課題とされているのがこの情報データの統合管理です。これは、コンピュータの問題ではなくて、データの問題です。

過去5年から10年にわたって、アメリカで精密農法によって実現可能になったことが幾つかあります。まず最初に土壌のサンプリング、そして、土壌成分マップの作成ができるようになりました。そうした土壌マップによって最適な作業をする。施肥量などを決定する施肥マップの作成も可能になりました。特に可変施肥を行う装置というのは高価なものですから、外のコントラクターにお金を支払って、契約で機材を借り入れて使うということができます。
また、データの蓄積から分析、それからデータマインニング、解析することですけれども、また、農作物証明とか、農作物認証といわれるものですが、ISOの国際的な品質保証の規格をしているISOの9000シリーズといったものの認証を受けた農作物証明。また、DGPSをベースにした機材を使用してまた、空撮などによるリモートセンシングで遠隔操作ができるようになっています。
コンピュータの発達などによって、若い人たちもコンピュータに関わりたいと思っていますし、わざわざシリコンバレーに行って、コンピュータの作業をするわけではなくて農場の現場でコンピュータを使用することができるようになっています。

次は、精密農業の導入についてアメリカの統計などをご説明したいと思います。最も重要だと考えるのは、今日精密農業を取り入れた高性能のコンバインというのが35000台も稼動しているという事実です。約35000台のコンバインがアメリカで使われています。そのコンバインで何ができるかと言いますと、右端に見えるのがデジタルソイルマップ、土壌マップです。そして、正確な位置ロケーションというのが実際の位置、その横に見えるのがリアルタイムで送信されるGPSを使ったほ場のモニタリング、追跡です。そして、左上に見えますのが、実際の収量です。それからスタンダードなものの比較ができるようになっています。

2002年の統計からですが、約2万ヘクタールのほ場が精密農法を取り入れて管理されています。ですから、アメリカでも精密農法がずいぶん取り入れられており、決して取るに足らない、無視できるような段階ではないと日本でもいえると思います。

 

    
 
ページの先頭へ 前へ 次へ
  トップ本庄野菜について本庄PF研究会生産者紹介農産物情報コラムリンク集
  Copyright (C) 2004 Honjo Yasai. All Rights Reserved.