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本庄PF研究会
 
 
1 本庄PF研究会について
 
 精密農法に関する国際会議は、ヨーロッパと米国で毎年交互に開催されている。ヨーロッパでは各国を回り、米国はミネソタ大学に固定している。2003年6月、第4回精密農業ヨーロッパ会議(ベルリン)に参加した時の話である。
 開会式に続く基調講演の演台に立ったのは、同年3月に本庄市へ訪問したMarc Vanacht氏であった。世界農業の抱える課題(水不足、労働力不足、流通など)と精密農法普及の現状などを紹介したあと、「世界で最も面白い精密農法の取り組みがはじめられようとしている」と述べて、本庄市や豊橋市の活動が紹介された。小規模集団農業、選果ロボット、高付加価値、市場とのアクセスなどを印象深く紹介したので、私は会議の最中各国の参加者から質問責めにあった。特に米国とヨーロッパの精密農法研究リーダー達との討論が印象的であった。
 注目を集めたのは「マーケット(流通)ニーズに対応しながら農業サイドの技術革新を進めること(コミュニティベース)」、「情報付き農産物とトレーサビリティ」、「選果ロボットと土壌センサーの組み合わせ(情報付きほ場)」などのキーワードであった。本庄市に世界の視線が注がれるようになった。
Think Global, Act Local.
 精密農法日本モデルへの期待をもう少し別の角度から検討して見よう。
 精密農法の理念には三つの論理が含まれる。ばらつきを記録し理解しようという「科学の論理」、効率を高めてコストダウンしようという「技術の論理」、そして手取り(「売上げ」−「経費」)を増やそうという「ビジネスの論理」である。
 精密農法の最初のステップは80年代後半の米国からはじまり、ほ場マップによる局所最適管理(Site-specific Management)が主眼であった(第1世代)。1992年にミネソタで最初の国際会議「Soil-specific Crop Management」が開かれ、94年には「Site-specific Crop Management」が開催された。さらにGPSやセンサー付き可変作業機械の登場により精密農法機械化体系が見えてきた(第2世代)。しかし局所最適は必ずしも全体の最適化にはつながらない。そこで全体の最適化をめざす意志決定システムに着目した精密農業(Precision Agriculture、1996年)が登場し(第3世代)、精密農業は新しい営農戦略であるとの認識がもたれた。この段階までおよそ10年間経過しており、「科学の論理」から「技術の論理」まで網羅しながら、1997年には最初の精密農業ヨーロッパ会議が開催された。しかし普及がなかなか進まなかった。
 第4世代の精密農法はコスト低減・規模拡大による導入メリットを追求するもので、米国などの大規模機械化農業地帯で普及しているのに対し、市場ニーズに対応した付加価値農産物による売上げ増大とほ場管理革新を同時に進める日本モデルが登場した(第5世代)。これらは「ビジネスの論理」を基本原理にしているのが特徴である。本庄市で展開しようとしているのは、この第5世代の精密農法なのである。それゆえ、国際的にも高い評価と期待が集まったのだと思う。
 精密農法日本モデルにおける戦略目標の一つはマーケットの安定確保である。技術革新の要は「情報付きほ場」と「情報付き農産物」の生産と管理であり、流通業種(量販店)の協力のもとに、なるべく早い内にこれらの技術導入を行い、国際的な先進事例を蓄積して欲しいものである。

注:通常、「精密農業」と「精密農法」はほとんど同じ意味に使われている。ただし私は、「精密農法」は地力維持を基調にした新しい農業生産スタイルを意識して用いており、新産業創出などの産業区分として用いる場合を「精密農業」と区別している。精密農法導入により、新産業として精密農業が創造される。

平成15年7月10日
東京農工大学農学部 澁澤 栄
       
 
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