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コラム
 
農薬安全使用と残留農薬 2002年 11月21日 埼玉県農林総合研究センター 中村幸二
4 残留農薬と安全性
 

 実際使われてから、どういうふうにその作物に残っていくかという話をしていきたいと思います。実際の作物に撒かれますと、(グラフを指して)こういうふうな減り方をしていきます。(このように)2つ折れの直線になることが多いんですけれども。(グラフを指して)こちら(横軸)が経過時間、これ(縦軸)が残留量です。このppm(残留量の単位)の意味、ppmは100万分の1のことです。1kgの中に1mgのものがあれば1ppmということです。濃度の単位の呼び方は、1000倍ずつずらしていけばいいんですよね。どうしてこうなるか(2つ折れに)というとこの段階(急激な減少)ではまいてすぐということで実際に作物にくっついているものが流されちゃうとか、いろいろ回りの影響を受けやすい、落ちるものはどんどん落ちていくわけです。そのあとある程度落ち着くと光による影響とか農薬の分解とか中に浸透していくとかその様な形でゆっくりと減っていくという形になります。農薬によって浸透性のあるものもありまして、こういうふうな形(直線的)にはならなくてふくれたりする場合、それは中に浸透していってちょっと増えるような形をとってまた減っていくということで基本的には二つ折りの線になります。作物の形状なんかも農薬の残留に影響します。白菜は結球するわけなんですけれども、(このグラフは)それにキャプタンという農薬がどういう風に残っているかを示しています。これ見ていただくとわかるんですが、外葉、外から1枚目、2枚目・・・というふうにて、そこに何%の農薬が残っているかを見たものでして、これ見ていただくと解る通り結球のものは殆ど外葉に残っているということがお解りになるかなと思います。

 消費者の人は意外に変なことを考える人がいまして、結球作物は葉がこういう風に外から巻くんだと考える人がいまして、そういうものに農薬を使ったら中に残って危ないんじゃないかと。よくそういう質問を受けることがあります。実際に結球のものは殆ど外に残っている。出荷の時には気持ち1枚余分に剥いてやると殆ど残らないで出荷できるということになるかと思います。ヤオコーさんがいらっしゃいますけれども、青い葉を1枚余分に取ってやると殆ど残らないものが売れるということです。

 実際に残った農薬はどういうふうに分布しているんだろうかというところで、今の結球野菜のものでもわかるかと思うんですけれども果実における残留分布を見たものです。(MPP)はバイジット・(ESPは)エストックス・(MEPは)スミチオンですね。バイジット、稲でよく使われる農薬です。エストックスこれらは全部有機リンです。NACというのはデナポンというカーバメートの薬です。今問題になっている無登録の農薬の問題があって、(それに取り上げられている)水酸化トリシクロへキシルスズがプリクトランです。ダイホルタン、これも(同じように)問題になっている塩素系の殺菌剤です。(この表は)こういうような農薬について、みかん、もも、ぶどうとか柿とかの果肉に残っているかというのを見たものです。エストックス・デナポンは水に溶けやすくて浸透移行する農薬なんですけど、そういうもの以外はほとんど皮の方に残っているのがわかると思います。この浸透移行の農薬は中に入っていく性質で、だいたいほとんどのものは外に残っているということで、実際に食べる時に皮を剥いちゃえば殆ど農薬の残らない作物を食べることができます。(水洗いで)ついているものがどれくらいで落ちるのかというとなんですけれども、トマトときゅうりとなすについて(表を示して)ここまでが有機リンですね。これが塩素系の殺菌剤、ダコニールとオーソサイド。それからダイセンですね、硫黄系の殺菌剤です。そういう物が水洗、水で洗った時にどれくらい落ちるかを見たものです。結構水で洗うと9割くらい落ちる。DDVPは水によく溶けるものですが落ちにくい。水に比較的溶けなくて外についているようなものについては洗うとかなり落ちてしまいます。だいたい皮についているという部分ですけれども、殆ど落ちてしまうという結果になっています。中に入っているもの、DDVPとか有機リンなど浸透するものは除去率がちょっと落ちるというような結果になっています。
ジメトエートはちょっと落ちづらい。それに対して、ダイホルンなどは比較的、ちょっと低いですけれども、よく落ちる部類に入るんじゃないかと思います。ただ、総じていうと意外と水に洗っても落ちにくいなというのはあるんですけれども、半分ぐらいのものは大体落ちてしまうということになります。

 (グラフを示して)あと、加工したときどうかということですが、DDVPは比較的、早く分解するんですが、マラソンは加工すると減るか、殆どなくなってしまいます。デプテレックスは逆に濃縮ジュース、干しぶどう、ぶどう酒、いずれにしても増える(濃縮される)結果になっています。ブランデーにすると蒸留するのでなくなるということです。日本酒なんかよりも焼酎の方がこういうのを気にする人はいいかなと思います。加工するから必ずしも農薬は減るものではなくて、ものによっては増えるものもあります。ビンクロゾリンは、殺菌剤で、実はこの薬は環境ホルモン作用があるということで登録を外されています。これと同系のスミレックスとかは殺菌剤ですが、これらは(環境ホルモン作用は)認められていないのです。(この表の名前は)ししとうとかピーマンの品種なんですけれども、そういうようなものを調理(した時)、水で洗ったもの、洗剤で洗ったもの、茹でた時、炒めた時に濃度がどう減るか(見たものです)。実際問題、殆ど数字は変わっていません。実際残っているものを調理してもビンクロゾリンの性質もあるんですが残留量はあまり変わらないようです。
あと、これはサイレージにした時はどうかということですが、サイレージというのは嫌気的発酵させた発酵製品なんですよね。非常に、微生物の影響を受けるということで、エルサンという有機リンの殺虫剤なんですけれども、頭の中で考えますと実はかなり変わるんじゃないか、無くなるんじゃないかというふうな考え方になるんですけれども、実際には、全然減らないですね。色んな農薬でやったんですけれども、実際ほとんど減るものはありません。だから、発酵してるから必ずしも農薬が減るかというとそうでもないですね。そういうことを考えますと、生産する側は、農薬の残ってないのを生産するというのが非常に大事じゃないかなと思います。

 実際に実態調査をやってどれくらいのものが基準を超えているのかというところなんですけれども、これは、とある県の実態調査の結果です。1997年〜1990年までの実態調査をした件数で、どれくらい基準を越えたかというところなんですけれども、調査件数は大体多いときで100〜200件近くやったこともあります。これ見ていただくと解ると思いますが、1986年以降は基準超過件数は0です。それまではちょこちょこあるんですが、だいたい0ということで、聞くところによるとこの辺(1986年頃)でかなり農家に対する使用指導をやったということをきいています。さいたま市にコープネット

 事業連合の商品検査センターがあるんですけれども、そこでの2000年の3月〜2001年の3月、1年間の残留調査の検出農薬の結果です。これから5枚お見せします。あの、ところどころ基準を超過した例が出ていますけれども、検出率の所を注意して見て頂ければなと思います。

 これ(検出率)はだんだん少なくなっています。一番多くて2,4−Dという除草剤ですね。この地区の人は多分いないと思うんですけれども、これを薄めてなすの着果促進かなんか使っている方がいるかと思うんですけれど、あれをやるとこれからは手が後ろに回るんで、気をつけてもらえたらなぁと思います。

 EPN、このあいだも地元出荷でスーパーで抜き取られて、ほうれん草が県の東の方のところですけれども(基準を越えた例がありました。)EPNは非常に残留しやすいものでして、検出すれば越える例が多い、非常に残りやすいんで注意した方がいいと思います。実際に実態調査をして検出されるのは殆どおそらく1%を越えるか越えないかだと思うんですが、非常に検出率というのは低いんだということが解ると思います。みなさん使用基準どおり使っているかわかりませんが、多少のマージンというのは当然見込んでいますので使用基準をだいたい守ればほとんど出ないことが解ると思います。適正防除で使用基準どおり使ったらどうかとこういう試験をやるのは、日本植物防疫協会ぐらいしかないんですけれども、ここでやった例です。使用基準通り防除すれば、一応ここにあります基準値を越えることは無いと(いう結果に)なっています。

 
 
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