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コラム
 
農薬安全使用と残留農薬 2002年 11月21日 埼玉県農林総合研究センター 中村幸二
3 農薬の安全性評価のしくみ
 

 今すごいということでしたのですけれども、実際に、除草剤と農薬は、表に出て使われるには、ただ作ってすぐ使われるというわけではありません。実際には農薬は虫も殺せば草も殺す、病気も殺す、病原菌も殺すということで、場合によっては危ないものも有ります。(したがって、)安全性評価はかなりやっている。どんな試験をしているかというと、毒性試験、それから代謝試験、まいてから(どれくらい残るかという)残留試験、環境への影響の試験をやっています。

 毒性試験は、例えば急性毒性試験は実際に(多量に)飲んじゃったという(ような)時にどういう影響があるか見る試験でして、亜急性毒性試験はちょっと長めの試験、(最も長い)慢性毒性試験はこれと平行してかぶれ試験とか癌とかの関係の試験もやっています。慢性毒性試験から一生食べても安全な量、無作用量というんですけれども、このようなデータも取っていまして、この試験の結果を元にして残留許容量などを出しています。

 代謝(試験)では、動物とか作物、土壌中で(の農薬の変化を調べます。)、最終的には水と炭酸ガスになりますが、その間に、毒性のあるものが出てくるかもしれません。例えばオルトラン、(アセフェート)というものがあるんですけれども、それは代謝物としてメタミドホスが出てきまして、そのような毒性の高いものが出てくるというようなところを一応この試験で見ています。作物に長く残ると困るので、農薬残留試験というのをやりまして家畜や作物と土壌と水田水で主に必要なデータはとらなくてはいけないということになっています。あとは環境への影響試験です。土壌残留しやすいか作物に残留しやすいか(等)という試験農薬の基礎データをとります。最近ではシマジンと言う除草剤がありますけれども、それはゴルフ場がらみで水環境へ出やすいということで水質残留性農薬に指定されて、県知事の権限で使用規制ができるという状況になっています。

 これらの毒性試験から残留の許容量とか、残留基準が出来て、これを越えない(使い方の)基準として、安全使用基準という農薬を使うための基礎的な基準が組みあがって出てくるという形になっています。(急性毒性試験は農薬を)一度にとったときどうなるのか、口や皮膚からと(鼻から)吸い込んだ時どうなのかというのを見て、半数致死量を求めています。(この結果から)毒物、劇物とかを決めるようになっています。慢性毒性試験は農薬を一生涯に渡って毎日食べた時の影響を知るための試験です。1〜2年(の間、)ラット、(いわゆる)ドブネズミみたいなネズミ(やマウス)を使って経口投与して調べるわけです。これで出てくる量というのが中毒量と影響の出ない量ですね。農薬というのは、世に出るまで本当に多くの試験をやっていまして、したがって1つの農薬ができるまでには億単位のお金がかかっています。期間も10年とか非常に長い時間が掛かっています。登録後、実際に使う段階で問題になるのは(安全)使用基準と残留基準です。残留基準は人がある残留している農薬を一生食べたとしても孫、子の代まで影響を与えない残留の上限を定めた基準ということになります。ここに登録保留基準と書いてあるんですが、こちらは環境省の方で作っている。農薬の登録時に登録保留するための基準で、超えると保留しますよと、登録しませんよという基準です。残留基準は食品衛生法で規定されている基準で、厚生労働省で作っています。(残留基準は、)今は200〜220くらい基準があります。最終的には400くらいに増やそうと考えられているところです。残留基準を超えないような使い方、それを決めたのが、安全使用基準でして通常これが袋に、何日前まで、何回使って良いかということが書かれているものです。だから使用基準を守っていればこの残留基準を超えないというのが原則なんですね。

 残留基準の決め方というのは(まず)人体一日摂取許容量のADIを設定します。何から求めるかというと、最大無作用量というものから求めて、(これは)動物実験でやっているので、人間に置き換えるわけです。置き換えるときに人間というのは動物よりも10倍弱く、しかも10倍個人差があると仮定してそれから一日あたりの摂取許容量(ADI)を決めることになっています。10倍の個人差というのは、実際にはもっとあるかもしれないですけれども、とりあえず10倍ということになっています。1番良くわかるのは多分皆さん宴会やって飲むことがあると思うんですけど、赤くなる人といくら飲ませても平気な人といるとおもうんでその差っていうのは10倍じゃおそらくおさまらないと思います。もう1つのファクターがありまして、結局食べ物の基準なんで、人間は(1日に)どれくらい食べているのだろうということです。摂取している量をまずみてやらなければならないということで、国民栄養調査を参考にするんですけれども、そこから例えば米だと一日これだけ、麦、雑穀はどれくらいとっている、そういう数字を出して、これを分母にもっていくわけです。それでADIというものを今の(食品)摂取量、(いわゆる)フードファクター、それで割ってあげると残留許容量というのが出てきます。これがイコール残留基準と考えていいんですけれども、実際にはそうはいかないというところがありまして、例えば残留許容量が1ppmという値が出たとします。だけどその実際に残留のデータをとると1ppmなんて残ることは滅多にないですよ。0.1ppmくらいしか最大でも残らないですよ。なんて話になったときには、1ではなくてもっと低い値で量を規定してやって、それが残留基準になります。(この場合).0.1に近いほうの値が採用されることになります。実際、基準値なんかも決まり、ADIも決まり、それで農薬の毒性を評価しても実際に使ったときに効かなければ話にならないので、薬効、薬害試験を行って、そういうような試験の成績を全部つけて前は農林水産省の組織だったんですけれど、今は独立行政法人になった農薬検査所に申請するわけです。(申請後)農水省の他に厚生労働省、環境省、それぞれ審議会がありますけれど、そこで協議していいとなれば農林水産大臣のほうで登録の手続きがとられてあとは登録ということで初めてこの段階で市場に出て、実際にここにお集まりの農家の皆さんに使われるというわけです。農薬というのはですね、安全性に関しては非常に多くの、何十ものチェックをうけて出てきているというところでして。実際に使用基準というものをきっちりと守ってさえいれば今回のような(安全性を危惧される)ことにはまず100%とはいいませんけれども99%ならないような状況になっています。

 
 
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