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コラム
 
流通チャンネルの多様化とマーケティング戦略 -これからの農協産直-2002年 6月25日 東京農工大学農学部 野見山 敏雄
3 農協経済事業の使命と課題
 

 さて、農協の共販事業にどうやってそういった産直なりブランド化、また組織的相対取引という要素を組み込んでいくかという話に進んでいきたいと思います。まずその農協を廻る状況は非常に厳しい。既に皆さんご存知かと思いますが、制度としての農協がもう終焉したといえると思います。旧農業基本法では、農協は非常に制度的に保証されていてその補助事業を、農協が独占することができていました。しかし、その新基本法、食料・農業・農村基本法の中では、政策の受け皿として農協をまったく特定しておりません。その価格政策にしても、補助事業政策としても農協が、旧基本法のような制度の利益を独占的に享受するということは、指定されておりませんし、そういう時代は終わったということを、まず農協自身が認識しているのかどうかということをまず指摘したいのです。

 その様な状況下で、今農協共販は大変な危機にある。その危機というのは第一には、農産物の価格が下落し、下落している中で、農協共販への組合員の結集力、求心力がどんどん小さくなっている。共販に出しても、非常に利益率が低い。箱代とか輸送費とかに半分以上引かれて自分の手取額が少ない。じゃあ又直売所に出し、自分で販売した方がいいのではないかと共販がどんどん崩れております。更に、その農協組合員が、従来は1町歩ちょっとの田んぼ、畑を持ちながら米を作り野菜を作りまた牛とか豚を1~2頭飼い、という均質な組合員から、非常に多様、まったくばらばらな組合員となりました。その多様な組合員を農協がきちんと把握できていないのです。

 その様な中で、大部分の農協は、経済事業が不振であります。経済事業というのは、いえば購買事業と販売事業と、営農指導事業です。営農指導事業も広域合併して、全然力が入っていないということはあちこちの農協で聞くことです。その一方で、有機農業とか環境保全型農業といったものが行政的にも推進されるのですが、農協は、そういうものにきちんと舵をきりきっていないと思います。従来の近代化農業から、なかなか離脱できていない。農協の販売事業の今日的な使命は、組合員が生産した農産物を単なる集荷・出荷ではなくて、農協の自らの意思で販売するということ。農協が農産物を消費者の食卓まできちんと届けることが、農協の仕事の中心になる。これを農協がやらなければ、21世紀の、あと10年くらいの見通しの中で農協はいらないものとなる可能性が、私は非常に強いと思います。

 そういった中で、農産物流通をめぐっては、フードシステムという概念があります。皆さんが野菜を作ったりお米を作ったりする。ここが川上とします。そして、川中には卸売市場とかいろんなフードビジネスの加工場があって、川下には小売業、いわゆるスーパーがあったり生協があったりします。そしてみずうみといって、最終消費者ですね。農産物の食品の流れを川の流れに例えて川上・川中・川下といったかたちで考えていきましょうというのがフードシステムです。

 いわば、旧基本法が出来たころ、人口が都市に集中して、農村から人がいなくなって、食料が不足するようになった。都市部になかなか届かないという、いわば売り手市場だった。つまり、川上の売り手のほうが強い時には、野菜を卸売市場に出荷すればいい。また米は、農協を経由して出荷するだけで、後は自然と卸売業者や小売とかが勝手に流してくれて最終消費者の顔も知らずに農産物が販売できた。非常にハッピーな時代でした。しかし、最近は違う。つまり買い手。買い手というのはどこかといいますと最終的な買い手は消費者なんだけど、今はスーパーが強い買い手市場ですね。さきほど話したようにデフレでもあるし商品が余っている。つまり買い手がチョイスしながら買う時代です。ですから、従来の様に、農協に単に出荷するだけ、また卸売市場に投げるだけというだけでは駄目です。つまりこの買い手である、消費者の志向を、きちんと把握して、きめ細かなものをきちんと作る。だれだれさんはこういう安全なものが欲しいという。だれだれさんはもっと安いものが欲しいという。消費者というのは一層ではないですから、細分化された市場構造にあわせて商品を作っていく。農産物を作っていくということが、求められている。これが、今の農産物市場構造だということをちょっと認識しておいてほしいと思います。

 つまり、農産物流通の再編が進む中で、川下と川上の政策的な事業提携が重視されているというのは、組織的な相対取引、つまりスーパーや生協などと直に結びつく。そういった組織的な相対取引が従来以上に重要になっているということを、農協や生産者自らがきちんと認識していくことが必要だと思います。ただその組織的な相対取引っていうのは、なかなか簡単に出来ないわけです。どうしてかというと、まず第一点は、従来の系統共販システムとはまったく異なった事業方式だからです。従来の系統共販というのは、みなさんも既にやられているように規格に合わせたものを自分が好きな時期に出荷できる。気候とか畑の都合によって出荷が遅れたとしても、それはもう卸売市場がバッファとなって、適当に処理してくれたわけです。しかし、産直提携事業というのであれば、一月前とか二月前とかに決まったオーダーにあわせながら物を作り、出荷しなければならない。そして、その一個でも二個でも足りないとそれは相手側が非常に困るという状況があるわけですから、それはまったく反対の事業方式であります。

 第二点は、現実の農協の中では卸売市場チャネルと、産直提携事業の共存がなかなか難しい。それはどうしてかといいますと、そういった産直提携事業をどんどん進めていきますと、従来作っていた産地、またその何とか部会っていう部分が次第にしぼんできます。そうすると、その共販を前提とした、野菜生産出荷安定法で守られていますが、それとの調整が必要になってきます。たとえば、出荷奨励金の問題とか解決しなきゃいけない問題があると思います。

 
 
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