本庄トキメキ野菜
トップ本庄野菜について本庄PF研究会生産者紹介農産物情報コラムリンク集
  HOME > コラム > 流通チャンネルの多様化とマーケティング戦略2
   
コラム
 
流通チャンネルの多様化とマーケティング戦略 -これからの農協産直-2002年 6月25日 東京農工大学農学部 野見山 敏雄
2 物価の下落と産地マーケティング
 

図−1

図1は全国の卸売物価指数です。ずっと右肩下がりですね。特に農林水産物、食料用農林水産物が下がっております。2001年は、野菜がこの時期気象の影響で上がっているわけですけど、総体としてはずっと下がっている。卸売物価が下がりますと当然ながら消費者物価が下がってきます。

図−2


図−2は、東京都区部の消費者物価指数ですけど、これも、99年9月以降2年8ヶ月連続して総合指数は下がるという状況にあります。こういった価格がどんどん下落していく中で産地は、どのようなマーケティングを取るべきかが今日のテーマになります。ただ、そのマーケティングといっても、それぞれさっきお話したように本庄は本庄、深谷は深谷、埼玉は埼玉、という地域性、特に社会経済条件や地域でどういった商品生産農業をやってきたかという歴史性に大きく影響を受けます。ですから、結局のところ私が一生懸命に話しても、決断や戦略を練るのは、それぞれの地域の農家の人達が自分らで知恵を出し合いながら、やっていくしかない。そのきっかけづくりは僕らにできても、その地域の事を一番知っている人達がマーケティングを練っていくしかないという、ちょっと結論を先取りしてお話します。

 価格がどうして下落しているかという部分をちょっと整理していきたいと思います。ひとつは、この様に特に生鮮野菜の価格が下がっているのは、需要に対して供給が過剰になってきていることがあります。

 附表の・の表をご覧下さい。その表の、上の方の野菜の国内生産量は、次第に下がっております。つまり増大しているのは結局のところ輸入が増えて、供給量全体としても増えています。特に問題は輸入生鮮野菜の品質が非常に向上しています。これは中国に、技術者・資本・種子、つまりトータルとしての技術をフルセットにした開発輸入が軌道に乗ってきているということがあります。もうひとつ見逃してはならないのが生鮮野菜以上に、冷凍も含む加工野菜が生鮮野菜の数倍以上輸入されていることです。そしてその加工野菜の主な需要先というのは、外食や中食といったフードビジネスであります。

 ・の表をご覧下さい。95年と数字が古いのですけど、一番左が家計仕向、つまりそれぞれ消費者が自宅でほうれん草またキャベツを丸のまま買ってきて、茹でたりきざんだりして調理するという部分。後の二つは中食や外食で使用する部分です。これを見てわかりますように、今問題になっている、ほうれん草などの外食が増えています。トマトなどは、ケチャップとかトマトピューレの部分もありますから加工が多いのですが、茄子とか、キャベツやレタス、玉ねぎなどは家庭仕向以上にフードビジネスの部分が多いことがわかります。野菜全体でいうと、5割以上が、外食や中食、惣菜の部分で使われています。業務用野菜が、国産野菜から外国産にシフトしている。そういったことが、価格下落の要因になっている。

どうして外国産にシフトしたことが国内産野菜に影響するかといいますと、業務用野菜に使われる部分は、価格の下支えをしていた。例えばミカンジュースとかリンゴジュースとかを考えていただければよく判ると思いますが、すそ物がそういった加工用原料にされる。そういったものが価格の下支えをしていたのに、その部分が外国産に行きますと、国産野菜は、いわば下支えを失い底が抜けたように価格が暴落してしまうという状態だとみていいと思います。こういった状況は野菜に限らず乳製品とか果実とか色んな農産物に、同じような影響を受けていると思います。その対策となると、農水省がその野菜の構造改革を実行しつつありますけど、そう簡単にはいかないですね。どうしてそう簡単にいかないかといいますと、まず野菜の場合は非常に手作業部分が多い。つまりその部分を、なかなか機械によって代替できない。渋沢先生は一生懸命研究されていますけど、なかなか出来ないのが現状ですから、結局のところその生産費の大部分を労賃が占めることになります。そのため労賃単価が安いところに産地が移動していく。そして国境を越えて中国とかタイとかベトナムとか、そういった所へ移っていくということがあります。

 たぶんこの埼玉、本庄の周辺でも、外国人労働者を研修生という形で雇いながら、労働費を圧縮しているところもあると思いますが、千葉や茨城でもありますが、短期的なコスト低減に成功したとしても外国人労働者と地域との摩擦、特に、外国人労働者の生活条件がきちんと整備されていないということもあり、国内で外国人労働者を雇用しながら、労働集約的な農産物を作るという状況は今のところ日本には無いと思われます。そのために外国に野菜生産がシフトしているわけです。
しかし、消費者が単に価格だけを目的、価格だけをメインにして商品を買っているかというとそうでもない部分があります。国産と中国産の価格差が2倍とか3倍あっても国産を買う消費者もいます。そのことは非価格競争といわれています。消費者は、価格以上のものとして、信用とか個別の使用価値、国産のものが甘いとか美味しいとか、安全だとか信頼できるとかそういった要素に、追加的なお金を支払うということを承諾しているわけですね。ですから有機農産物とかブランド化された農産加工品などは、外国産が安くてもやっぱり国産のものを選ぶということが、部分的ですけどあります。ただ、例えば本庄ブランドというのを作ろうとするとするならば、そう簡単には出来ないし、また、そのブランドは、作ったとしてもそれを維持、持続するためには努力が必要であります。雪印の事件に見られますように、簡単に何十年とかけて作ったスノーブランドが崩れてしまうというのは私たちには既に経験済みのことであります。

 
 
ページの先頭へ 前へ 次へ
  トップ本庄野菜について本庄PF研究会生産者紹介農産物情報コラムリンク集
  Copyright (C) 2004 Honjo Yasai. All Rights Reserved.